日本語でフィクサーというと政治を裏から操る黒幕のような人をイメージしますが、英語圏の映像業界においての”Fixer”の意味は全く違います。観光立国を目指す日本にはこれからたくさんの海外からの旅行者が入ってくると考えられますので、TV取材や動画コンテンツで海外にアピールするためにも、受け入れ先である日本側としてしっかりとした知識を持つ必要があります。
そのため、訪日客に向けた映像コンテンツの作成や海外のメディアのコーディネイトなどを行っているCueRioのRio MimakiさんにFixerの役割をわかりやすくおしえていただきました。
日本のメディアと海外メディアでのFixerの扱いの違い
英語圏でいう”Fixer”は日本のTV業界などでいうコーディネイターにあたり、そのまま海外のメディアとやりとりをする際にコーディネイターという言葉を使って伝えようとすると正確には伝わりません。本来の意味である組織の間を取り持って人と人とをつなげたり、調整して何かを作り上げるような意味合いで使われる言葉であり、日本人がイメージする映像関係の仕事の役割としては少しずれてしまいます。一方で、日本の映像業界でFixerですと言ってもピンと来る人は少ないと思います。海外との映像関係の仕事をする人は日本側には”コーディネイター”、海外側には”Fixer”として使い分けるのが一般的です。
Fixerの具体的な仕事
日本におけるコーディネイター業務と同様に、海外におけるFixerの仕事は日本で言うADさんやディレクターさんの仕事も含まれており多岐にわたります。言語や文化の異なる人同士が一緒に仕事をする場合、相互の理解や気を付けなければいけない点や文化的に注意しなければいけないことがある場合にはじゅうぶんな配慮が必要です。そのため、撮影前には様々な準備が必要になってきます。一例としてRio MimakiさんがCueRioで行っている仕事を簡単にあげてもらいました。
- 撮影に必要な事前リサーチ
- 撮影場所の選定や提案
- 撮影場所のアポ取りやロケハン
- 物品や資材、移動手段などの手配
- 取材クルーの宿泊の手配
- キャスティング
- 通訳
- インタビュー
- 撮影代行
上記はFixer業務の一例であり、食事の手配なども含め何でも屋として活躍をしています。イメージとしては黒幕ではなく、黒子として映像コンテンツの作成に携わる仕事です。
Fixer業務に必要な能力
海外とのやり取りになるため、英語やスペイン語などの言語能力はもちろんのこと、文化の異なる人同士が仕事をする上でのコミュニケーション能力も重要です。取材対象が海外の人である場合、その国の文化的背景や常識を理解したコミュニケーションを心がけなければいけません。
また、限られた時間の中で仕事をするため、効率的に業務をこなす必要もあり長時間にわたる場合はそれ相応の体力・精神力も必要になってきます。
実際の撮影の際にはカメラマンの動きや撮影クルー全体の動きに合わせて立ち振る舞わなければならず、全体の場の認識や空気を読みながら配慮した動きが求められますので、Fixer業務を行うには撮影の仕事の流れや環境を経験的にわかっていなければいけません。
海外のおすすめFixer
"fixer in japan"としてCueRioのRio MimakiさんにFixerの仕事をご説明いただきましたが、CueRioおすすめの海外フィクサーさんたちをご紹介いたします。
Fixer in New York
ミルキーウェイメディアのポール・ディマーティノ(Paul DiMartino)さん
http://milkywaymedia.net/
Fixer in Los Angeles
金子由美さん
Fixer in London
ジム・カスバート(Jim Cuthbert)さん
http://www.jimcuthbert.co.uk/jindex.html
Fixer in spain
スペイントレンディ―の山下厚司さん
https://spaintrendy.com/
Fixer in Nederland
まいメディアサービスのマイケ・ファン・ススト(Maaike van Soest)さん
http://www.maimedia.nl/japanese/index.php
Fixer in Japan
カンパニーリスト内紹介記事
https://www.c-list.jp/cuerio/